クロユリ

4/10
前へ
/126ページ
次へ
警視庁 21:30 「緊急指令。練馬区○○にて、変死体を発見…。」 「うっ、う…ん。」 けたたましく捜査一課に出動要請がかかってるにもかかわらず、深い眠りについている男が一人。 その男に怒りの鉄槌というよりは、伊丹の鉄拳が… 『ゴッ!!』 「いっ!!」 さっと頭に手をやる芹沢。 「いつまで寝てんだバァカ!!出動だ!さっさと車回せ!!」 「はっ、はい!!すっ、すいません。すいません。」 芹沢は、その怒声に無理矢理頭を起して、駐車場へと一目散に駆け出して行く。 「ひどいよな~。手加減なしだもんなぁ。」 ぶつくさ文句を言いながら、車を出す。 「お待たせしました。」 「遅いっ!!」 またもや伊丹の平手打ちが頭にヒットする。 「てぇっ!!ひどいじゃないですかっ!!」 「うるせぇよ!さっさと行くぞ。」 なんだって伊丹は、万年イライラしているのだろうか?或る意味、警視庁七不思議にはいるのだろう。と、後ろから、ヤレヤレと溜め息を付きながら車に乗り込むのは、最年長の三浦だった。 まだ車の多い道をサイレンを鳴らし、駆け抜けて行く。 この街の悲鳴にも似た音をたてながら…、彼らは現場に急行する。
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

197人が本棚に入れています
本棚に追加