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練馬区粗大ゴミ場
そこは、中心街のかなり外れた忘れられてた場所にあった。
人の立ち入りを阻むよう所狭しと置かれているモノ。
高く積み上げられ、砦を作る。
その城の中の柩の中で彼は静かに眠っていたのだ。
人を拒絶する城は暴かれ、彼の眠りが覚まされる。
黄色のテープをくぐり、彼の声を聞くべく三人の捜査員が城に踏み込んだ。
「おう、害者は?」
伊丹は現場で米沢を発見して、捜査状況を尋ねる。
「こちらです。」
米沢はブルーシートをはがして、今では人形となってしまったモノを伊丹達に見せた。
「えっ?」
その死体のあまりの美しさに芹沢が首をかしげる。
「この人死んでますよね??」
「えぇ、死んでます。あちらの冷蔵庫の中で発見されました。」
「外傷も血痕も見当たらんなぁ。」
と三浦がその害者の印象を述べる。
「えぇ、おそらくエンバーミングが施されていると思われます。私もこんな綺麗な死体には、初めてお目にかかりました。」
米沢が一人その死体の美しさに感心していると、横から眉間に皺をよせた伊丹が怪訝な顔をして尋ねて来る。
「エンバーミング?」
芹沢は、勝ち誇った表情を浮かべ、自慢げに語る。
「先輩そんなこともしらないんっすか~?」
芹沢を睨み付け一発
「うるせぇよ!」
『バシッ!!』
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