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取り乱す伊丹の肩にそっと三浦が手を置く。
「伊丹…。」
伊丹が振返ると何も言わずに三浦は首を振る。
「ちくしょう…くそっ!くそっ…。」
伊丹は如月を抱きながら、何度も自分の拳を地面に叩き付けた。
如月の血液で染まった手が自分の血液と混ざり合う。
救急車を呼び、戻って来た芹沢が伊丹の姿を見て、慌てて止めに入る。
「先輩!やめて下さい!先輩!!」
その声に正気を取り戻す。
「しっかりしてください…先輩。」
「すまん。」
伊丹は如月の髪を撫で、その体を強く抱いた。
最早、笑うことのない最後の君のぬくもりをオレに下さい。
オレは忘れない。
君を
君の姿を
君の愛を
君の死を
永遠に
僕とともにあれ。
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