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「至急至急。緊急指令センターより入電。新宿区○○粗大ゴミ収集場で男性の死体を発見。捜査員は直ちに急行せよ。繰り返す新宿区…」
けたたましく、出動の要請のサイレンが鳴る。
ソファに横になっていた三浦が飛び起き、伊丹と顔を見合わせる。
『タッタッタ…』
「先輩!!車回しときました!」
資料を取りに行ったはずの芹沢が、コーヒーを両手に猛スピードで一課に戻って来る。
「おう、行くぞ!」
伊丹が資料を手放し、走って行く。
三人は車に乗り込み、現場へと向う。
「報告書まとめが丁度飽きた頃だったしな、いいタイミングだな。」
三浦が後部座席でワクワクしながら言う。
「不謹慎ですよ。死体出てるのに…。」
芹沢がそれをたしなめる。
しかし、芹沢も飽き飽きしていたのは同じであった。
「テメェもワクワクしてんじゃねぇか。」
『バシッ』
伊丹の突っ込みが入る。
「イテッ!あっぶないなぁもぅ。」
芹沢が頭をなでながら、先輩に文句をタレた。
「まっ、たまには体使わないとな。」
伊丹が窓の外を見ながら言った。
見上げると満月が昇っていた。
空に雲は無く、ハッキリと紅く輝いていた。
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