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○○粗大ゴミ収集場
20:00
三人は到着し、車から降りた時点で硬直した。
目の前に広がる現場があまりにも酷似していたからだ。
あの哀しき事件の始まりを思い出させた。
「まさか…、嘘だろ。おい。」
三浦が三人の気持ちを述べる。
次の瞬間伊丹は走り出した。
「せっ、先輩?!」
芹沢の呼び声にも振り返らずに、黄色いテープを潜った。
「おっ、おい!俺らも行こう。」
その後を二人が慌てて追いかける。
現場に入ると、横になってる冷蔵庫が棺桶の様に見えた。
その横で米沢が記録を取っていた。
なんで?なんでだ?
あいつはもういないのに…。
なんでこんな…。
あいつが生きてる?
そんな訳…そんなまさか…。
あの時、オレの目の前で確かに…。
「米沢どうなって!」
伊丹が米沢に声を掛ける所、横たわっている死体が目に入る。
「そんな…。」
その瞬間伊丹は絶句する。
「もう、先輩。落ち着いて…。」
追い付いた芹沢と三浦もその光景に言葉を無くしてしまう。
「これって…、エンバーミング?」
三人の目に入った死体は、眠っていたかのように美しく、クロユリを抱いた男だった。
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