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警視庁 会議室
9:00
「昨夜発見された遺体は、死後三か月が経過していると判断された。手口も三か月前にあった事件と似ているため、如月結花の犯行であったという推察も出来る。その点も含めて、捜査に当たるように。」
「はいっ!!」
中園参事官が報告書を読み上げ、捜査方針が決定される。
今回見つかった遺体にもエンバーミングが施された形跡があり、死後三か月だと如月にも十分犯行が可能だからだ。
しかし、伊丹だけはかたくなにその線を否定した。
「待って下さい。今回の犯行は、模倣犯によるモノだと思いますが…。」
「その根拠は?」
中園参事官が尋ねる。
「前回と違い、エンバーミングも粗悪で、ホルマリン付けになっていました。」
「それだけでは、否定出来ないだろう。」
「いや、しかし…。」
「恐らく如月の犯行に間違いないだろう。この捜査は別の班に頼む。お前らには別の事件を担当してもらう。では、解散!」
捜査員が散り散りになる。
その中あの三人だけは、席を立てずにいた。
「伊丹…、行こう。俺達もやらなきゃ行けない事があるだろ。」
三浦が諭すように、伊丹の肩を叩いた。
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