197人が本棚に入れています
本棚に追加
警視庁 射撃場
15:00
『ドンッドンッ!』
亀山薫は、これといった事件も無く暇すぎて射撃場に暇潰しに来ていた。
この時間帯は、捜査員がほとんど出払っていて、訓練に来る者は余りいない。
『ガチャ、ドンッ!』
「あ~ら、最近さぼってたからなぁ。」
人型をした的に対し、ほぼ左胸を貫いていたが、何発かは大きく的を外れていた。
「特命係のヒマ亀。ほとんど当たってねぇじゃねぇか。」
「んっ?この声は!!」
背後の声に驚き振り向くと、伊丹が腕を組んで薫の後ろに立っていた。
「なんでいるんだよ?てっ、何時から居た?」
「おめぇが四発目外したところからだ。」
「うるせぇよ。嫌味言いに来たなら、帰れよ。」
薫は薬莢を抜き、新しい弾を再装填する。
伊丹は薫の拳銃を奪い取る。
「貸せよっ!」
「んっだよ!あぶねぇなぁ。」
伊丹は、両手でしっかりと構え、的を狙う。
「外せよ~。」
薫は後ろに座り、煙草に火をつける。
『ドンッドンッ!』
「バカ亀。禁煙だぞ。」
伊丹が振り返らずに、薫に言う。
何故分かったとびっくりする薫。
「堅いこと言うなよ。」
最初のコメントを投稿しよう!