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「ぐぁっ!!」 伊丹は踵で男の足を踏み付け、一瞬怯ませる。 男の腕を引き、顔面に肘鉄を食らわせる。 「あぐっ!!」 男三人は地面に倒され、痛みを訴えていた。 「まだやるか?」 伊丹が美和子を押さえている男に凄む。 「くっそ!!」 「きゃっ!」 男は美和子を投げ、走り去って行く。 それを追う様に男達が必死に立ち上がり、逃げて行く。 「うわっ!待てコラ!!」 その後を芹沢が追いかけて行く。 「ったく、相変わらず夫婦して変な事に首突っ込みたがるよな。このっ亀子!!で、大丈夫なのか?」 伊丹が美和子に寄り、手を貸す。 「あ、ありがとうございます。瀬田さんは?」 美和子はその手を取り、立ち上がる。 「大丈夫だ。息はある。今、救急車呼んだから。」 三浦が携帯を閉じ、瀬田を介抱する。 「で、なんでまた亀子がこんな物騒なところにいんだよ??」 伊丹が怪訝な表情で尋ねる。 「瀬田さんと待ち合わせたのがここで、ssの実態とこの街の少年犯罪の異常発生について一緒に取材してて…。瀬田さんが凄い奴に取材出来るって。」 「で、その瀬田さんが言う凄い奴って??」 三浦が口を挟む。
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