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渋谷の襲撃事件から三日後
東総合病院
10:00
病院には、花束を抱えた美和子が瀬田のお見舞い来ていた。
「瀬田さん…、怪我のは具合どうです?」
美和子が暗い表情で尋ねる。
「まぁ、大丈夫だよ。三か月はかかるが元通りになるさ。」
「でも…、私が…瀬田さんにたのま、」
美和子は何かを言いかけるが、瀬田が遮る。
「亀山…、勘違いするなよ。今回の事はお前のせいでも何でもない。現にお前だって被害者だ。それに、多少の危険は予測出来たが、俺はこの取材がしたくてお前を手伝ってたんだ。」
真直ぐと美和子の目を見て言う瀬田に、後悔の色はない。
「瀬田さん…。ありがとうございます。」
美和子は、目元を軽くハンカチで抑えて、何時もどおりの笑顔を返す。
「でも、あそこまで警告を受けるとは予測してなかったからな…。亀山もssの取材は一人では、手ださない方がいいぞ。」
「はい…。悔しいですけど、今回は危険すぎますよね。」
美和子は悔しいそうにハンカチを握り締めている。
「あぁ、でも事前に集められた情報はお前に預けようと思って…。」
瀬田が鞄を漁る。
『コンコン』
「はい?」
瀬田が鞄を漁りながら、扉の向こうに声を掛ける。
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