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「あの日は、亀山と待ち合わせの前に協力者と会う約束になっていて、それから合流して取材を行うつもりでした。しかし…、その人は現れず代わりにあいつらが…。そりゃ、もう袋叩きでした。」
瀬田は一つ一つ思い出して行く度に、からだ痛みが増して来る。
「ひどい…。その少年達に見覚えとかは?」
美和子が尋ねる。
「お前が聞くなよ!」
すかさず伊丹の突っ込みを食らうが相手にしない。
「さぁ、声も聞いたことないし、覆面だったからな。」
「で、その…」
「瀬田さんが取材しようとしてた相手は?」
芹沢が質問を遮られ、代わりに美和子が言う。
「お前は間に入って来るなよ。」
伊丹がさらに突っ込む。
「聞きたい事は同じでしょ。」
「確かにそうですけどね…。」
芹沢が肩をすくめる。
「亀山夫人、取りあえずここは私達に任せて、邪魔をしないで頂きたい。」
三浦が美和子に諭すように言う。
「わかりましたよ。」
不満そうに美和子はうなづく。
「で、誰なんですか?」
三浦が促した。
「元ssの久貝霧外という男です。元々下っ端の兵だったらしいですが、行動力が買われて、少年リーダーまで務めた事があるそうです。」
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