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美空は少しだけその事が気になっていた。ここまで二人きりになるのを軽く避けられると逆に気になってしまうのだ。
他の友達にそんな事された覚えは無いし、断われる度なんとも言えないもやもやが胸の中に出てきて気持ちが悪い。
深く考えるのが苦手な美空は、宇宙に思い切って聞いてみる事にした。
『なんであたしとは二人きりで遊ぼうとしないの?』
宇宙はいきなり確信を突かれて心の底から驚いた。そして同時にどうすれば誤魔化せるかを考えてしまう。
『えっと…男だから男と遊ぶのが楽しいんだ。だから…その…美空ちゃんと遊びたくない訳じゃなくて…えっと男は普通、男と遊ぶだろ?』
と無難な言葉を返す。
『私の事嫌いになった?』
『ええ~!違うよ~。嫌いじゃなくて男と遊ぶのが普通だから…』
どうすれば納得してくれるか考えながら話すので、どうしても煮えきらない態度になる。
それを見て美空は腹を立て
『もういい!』
と勢いよく教室を出て行ってしまった。
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