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『大丈夫!補強はしてある。』
『えっで…でも…』
『補強したのは親戚の大工のおっちゃん!十年間の保証付き!』
『そっそっかぁ…ぼ…僕ちょっと…あの…高い所が苦手で…』
『大丈夫!見た目より高くないよ!行こう!私が見本見せるから登ってきて!』
美空はずんずん登って行く。宇宙は必死で登り方を覚えようとした。
『おおい早くおいで!』
美空は早く上から見える景色を見せたいようだ。
『お…おにぎりあるから登れそうに無いよ…あ…あのね。先に食べちゃって欲しいな。』
その時、美空のお腹がググゥ~ゥと鳴り響く。
『えへへ。お腹空いちゃった。今降りるから一緒に食べよう!』
『うん。』
宇宙はちょっとほっとしたのか、初めて笑みをこぼした。降りてすぐ笑顔の宇宙に気が付いた美空は満面の笑みで
『ハハッ宇宙ちゃんと笑えるんだ。』
と、からかった。
『えっ変かな?』
宇宙は不安になる。初めての土地、隣家の同い年。なるべく仲良くしたいし、上手くいけば友達も紹介してもらえる。宇宙は緊張していた。
『違う。顔がず~っとオドオドしてたから。もっと笑えばいいっしょ!可愛い顔してんだからさ。』
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