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なんだ。そんな事か…でも可愛いは否定しておきたいな。と小さな男のプライドと、どこまでも気さくな美空に宇宙は心を開き始めていた。
『お…男に可愛いは…誉めてないからな。』
『あいよ。気を付けまぁ~す。』
二人はお互いの顔を見て、照れくさそうに笑い合う。宇宙は対等な話し言葉を使った事で、美空と友達になれた気がした。
おにぎりはあったか手作りで、ジュースは駄菓子屋の十円粉ジュース。おまけに小さいふ菓子も入っていた。
『おいしい。』
『でしょう?お母さんのおにぎりは世界一なんだ。』
美空は誇らしげに言った。
『僕のお母さんは…ハンバーグが世界一かな。』
『ハンバーグ?凄い!食べてみたい。』
『今度お願いしてみるよ。』
『うん。』
二人は食べながら、何気ない会話のやり取りを交している。
『おおい美空!そいつ誰だ?』
すると大きな体の男の子が声を掛けてきた。
『あ…あの鈴木宇宙!よろしく。』
『隣に越してきたんだ!同い年だから明日からクラスメート!宇宙!こいつはウド。デカイだけだから。』
美空は声高く笑った。
『ねぇサッカーしない?三人いれば出来るっしょ?』
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