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私は一瞬にして何かを悟った。部屋を見回しても、りんの怪我の様子を見ても、私がやったとしか思えない状況だ。
私は言い訳も言えないまま、あまりの事に気を失ってしまった。
…目を開くとそこは真っ白な世界だった。
慌てて瞬きを繰り返す。
私は今、病室にいるようだ。起き上がろうとすると手足に違和感を感じる。
布団があって分からないが私の手足は拘束されているらしい。
なんとか抜け出そうと体を捻ったり、口を使って布団を捲ろうと頑張るが上手くはいかなかった。
…しばらくするとノックの音が聞こえてきた。
『入るよ。』
知らない声だ。
『落ち着きなさい。』
顔立ちの怖い男が優しい声を出している。
『…誰?』
私は自分の声で、りんの事を思い出した。…じゃんけんさん…
『失礼。私は警察の者です。…りんちゃんの事でお聞きしたい事が有りまして。』
私はドキッとした。あの状況下、私が虐待していないという証拠は無い。
『…りんは…りんちゃんは無事ですか?』
私は慎重に言葉を選んだ。
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