じゃんけんさん

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『無事…そうですね。その前にお話しをお聞きしたい。何があったのですか?』 私は迷った。上手い言い方が見つからないのだ。 『そ…それは…』 警察の目が光る。 『嘘をついても無駄ですよ。私はりんちゃんからもお話しを聞いていますから。』 りんはきっとじゃんけんさんの話を出したのだろう。だから警察が混乱しているのだ。私が正直に話せばあの子は精神病だと判断されるのか…? 私は迷った。どの道あの子か私、どちらかは狂っていると判断されるのだ。 私は私は…自分を守る事にした。全てを正直に話し、自分の被害を訴える。 『…分かりました。それでは聞きます。その身体中の痣は誰がつけたのですか?貴方の横腹から合わせて三本の針が見つかりましたがそれは誰が?』 私は言葉を詰まらせた。身体中の痣?横腹の針?そんな物は知らない。 私はりんの言葉を思い出した。私はじゃんけんさんを怒らせた。だから… 指切り拳万針千本… じゃんけんさん… 私は混乱した。どうしても理屈が通らないのだ。
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