じゃんけんさん

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『救急隊員によると血を吐きながら、じゃんけんさんごめんなさいと繰り返していたそうです。』 『…そんな』 何も何もかもが分からない。話が通じない。私は現実に対し理解を拒んでいる。 『亡くなった娘さんの為にも自白したらどうです?』 自白?全てを正直に話しているのに? 『あくまでシラを切りますか?それとも黙秘に変更ですか?』 黙秘…国民の権利… 小さなノックが聞こえた。 『お邪魔しますよ。』 白衣を着た先生が現れ、看護師に拘束を解くように命令した。 『待って下さい!まだ危険です!』 危険?私が?ますます話が繋がらない。そういえば私がやっていないと考えているのなら、そもそも手足を押さえ付ける必要は無いのではないだろうか? 『刑事さん今までのお話しってもしかして…嘘…?』 警察を名乗った男はビクっと肩を動かした。 『嘘で私の夫を侮辱して、私の子供を死なせたと言うの?』 『いえ、貴方の夫は生きているはずです。娘さんは残念ながら……良いでしょう。先生方も聞いて下さい。奥さんが犯した罪を、私が自白に持ち込もうとした理由を…』
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