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幸福感を胸に秘めたまま一日を終わらせる。
あれは俺だけの秘密だ。満足感も手伝った。
不思議な夢を見た。さち子とケン坊の夢。さち子の服装は土の中から出てきた物と類似していた。
やけにリアルな夢なので驚き起きてしまう。呼吸は乱れ、寝汗が凄い。これが悪夢なのか?人間の骨を砕いた事が俺の良心を刺激したのだろうか?
起き上がり、水を一杯飲み干しソファに座り込む。膝を抱えたまま朝を待つ。
もう一度寝る気にはならなかった。
それから一週間、拍子抜けしてしまう程に何事も無かった。人間とは愚かなもので、喉元を過ぎれば熱さを忘れてしまう。俺は我慢出来ずにもう一度あの桜階段に向かった。
今度は小さな斧とミニスコップを隠し持って。
桜階段の周りには相変わらず人影は無かった。昔から誰も近寄らない、今では不要とされる小道にひっそりとはえている。
俺はミニスコップで慎重に掘り出していく。出来れば綺麗に出して思いっきり斧で砕きたい。骨は埋めた時と変わらずそこにあった。
小さな斧に持ち変えて、楽しむようにゆっくりと何度も振り下ろしていく。
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