災いと幸い。

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まず、ぼくの家はとんでもなく「お金持ち」だった。 お金持ちって響き、なんかいいよね。 それはさておき、当時ぼくは年長で、背がとんでもなく小さくて、ひょろひょろしていた。 その上金持ちで、ちやほやされていたのだから太って当然のようなものを、なぜかぼくは痩せていた。 それもそのはず、ぼくは好き嫌いが多く、牛乳は嫌い、運動も嫌いだったのだから。 もし、食べるのが大好きだったら、いまのぼくはブクブクに太っていたかもしれない。 そう考えるとゾッとする。 まあ逆に、太りすぎてデブタレントとしてTVに出れたかも…いや、それはないな。第一、別に嬉しくない。そんなんで出たところで、ぼくは伊○院さんみたいに話芸はできないし、○塚さんのように特別頭もキレない。 それがまぁ、ぼくの最初の「幸い」だったのだろうが、ある日突然「災い」はやってきた。 家が火事になったのだ。
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