最初の災い

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人間不信、と一言でいうが、小学校にあがる直前でそんなもんになってしまったのだから、厄介なものだった。 放火魔は捕まったが、それでもぼくの人間不信は治る兆しを見せなかった。 小学校に上がり、ぼくはとんでもなく無愛想だったらしい。 そんな年で無愛想な子どもなんて、大人からしたらとても近寄りたくないだろう。 ぼくは、入学式の時、にこやかに話しかけてくれた校長先生に対して、 「よろしくね、○○くん」 「バーカ」 と、罵倒したのだ。 子どもというのは残酷なもので、ぼくは言ったその後から罵倒したことをすっかり忘れた。
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