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「やっと来てくれたね。君達二人を、私はずっと待っていたんだ。消滅しない負の感情を持つ者と、元より負の感情を持ち合わせぬ者よ」
「どこにいるの?」
発信源が分からない中で響き続ける声に、少年が問い掛けた。
薄気味悪そうに辺りを眺める少女と違い、声の主が分かっている少年はどこか堂々としている。
「昇って来たまえ。今から光を下ろす。それに触れるんだ」
声が予告した通り、ほんの数秒後に二人の前には円盤状の光がゆっくりと降下してきた。
ただでさえ煌々とした輝きを放っている塔の中でも、その光盤は眩しく見える。
二人がそれに触れた瞬間、その姿は階段上から消え失せた。
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