『第一章 逃走』

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今日は楽しみにしている週刊誌の発売日。 日付が変わって一時間もしたら、それはコンビニに並ぶ。 って訳で、高校一年生である俺は、深夜徘徊でポリスメンに捕まる可能性など無視して…ついでに、親にバレて怒られる可能性も無視して、家の二階の窓から屋根に登り、電柱を伝って降りていく。 音がしないようにチャリを移動させる。 道まで出てから、チャリにまたがり夜道をいく。 親も息子が夜遅くに家を出た事など気付くまい。 いざ、コンビニへ。 毎週やっている事だが、この日は違った…。 橋を越えた辺りで前方から原付に乗ったポリスメンが二人こっちに向かってくるのが見えた。 とめられると面倒なので、しらんぷりして横を通り過ぎようとしたその時。 ポリスメンA「君~、ちょっと止まって~」 ヤバイ❗いろいろ聞かれた挙げ句に学校に連絡がいく。もしかしたら補導されるかもしれない。 実際は、名前、住所、学校などを聞かれて、早く帰れよ~的な事を言われて終わるはずだったのだが当時の俺は、そんな事は知らない。 ポリスメンに声をかけられた瞬間、即座に判断…トンズラでぇ~い。 ペダルをこぐ足に満身の力を込める。 後ろからポリスメンが「止まれぇぇぇ❗」とか叫んでいるが、無視だ。 君は、止まれと言って犯人が止まった事があるのかい⁉と問いたい。問いつめたい。 すぐそこの曲がり角をまがり、闇を疾走する。
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