まさか!夫に見られてたなんて…ミサキの場合

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それは 突然だった…。 彼とキスしたその瞬間 夫からのメールを受信した。 『そいつは誰だ、そんなとこで何をしている』 携帯を開いた途端 背中に水を浴びたようだった。 ―何故?夫は出張で明日じゃないと帰らないって…― 私が青ざめたのを見て 彼も何が起きたか 理解できたようだ。 「とにかく出よう、まだ何もしていない」 彼も慌てている。 私は テーブルに置いたバッグをとり 慌ててブーツを履いた。 慌てすぎてうまく履けない。 なんか中途半端なまま ドアを開け外に出た。 下り専用エレベーターを探し ボタンを押す。 心なしか 彼の指も震えている。 本当はこんなときこそ ギュッと抱きしめて欲しいのに。 それにしても 夫はどこからメールしてきたんだろう? 「待って…まさか駐車場にいたり…するかも?」 会計している彼の腕をつかんだ。 「俺が先に車に行くから、鍵をあけたらすぐに走ってきて」 私はうなづいた。 自動ドアを抜け 急ぎ足で彼が車に乗った。 人の気配はないようだ。 ―走らなきゃ…― 中途半端なブーツのせいでころびそうになりながら 彼の車に乗った。 彼は車を出した。
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