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「あぁ、退屈だなぁ…」
ｺｰﾋｰを飲み終わり
読んでいた雑誌を閉じた。
時計を見たらまだ10時を少し過ぎた頃。
私は山崎祥子、42才。
夫は単身赴任中。
大学生と高校生の娘がいる普通の奥さん。
朝から一通りの家事を済ませると
午後のｱﾙﾊﾞｲﾄの時間までもてあましてしまう。
ﾊﾞｯｸﾞにしまっていた携帯を取り出した。
着信はない。
新しいﾒｰﾙでもきていないかと問い合わせてみる。
『新着ﾒｰﾙはありません』
つまんないなぁ…。
今日は平日だから
彼も仕事だよなぁ。
そう…私には彼がいる。
付き合い始めてまだ１ヶ月くらいだけど。
私は人妻で母親だけど
大好きな彼がいる。
え？
不倫じゃないかって？
そう言われればそうだけど
別に私は夫と別れて彼と…なんて思ってないし
そもそも夫には何の不満もないんだよね。
２年前から東京に単身赴任中で
３ヶ月に１度くらいしか帰ってこれないのに
不満も言わず
私たち家族のために働いてくれているし…。
赴任先に愛人がいる気配もないし
最近は料理がうまくなったぞと
ﾒｰﾙをくれたりする夫を嫌いになるわけないじゃん。
感謝はしても
裏切るなんてできっこないよ。
それに
夫や娘たちとのこの生活を壊すつもりはｻﾗｻﾗないんだ。
じゃあなんで？
彼は愛人じゃないなら何なの？
そうきたか。
『愛人』ってさ
なんだかお金とｾｯｸｽだけで
つながってるみたいじゃない？
ｲﾒｰｼﾞがね
そんな感じ。
よくあるﾄﾞﾗﾏや小説の
社会的地位やお金のある男性が
気に入った若い女をﾏﾝｼｮﾝに囲ってる
みたいな。
私は彼を愛人だとは思ってないよ
恋人だと思ってる。
お金なんかもらわないし渡さない。
ただ単純に好きなだけ。
普段はﾒｰﾙと電話で連絡をとってる。
会える時に会って
ﾃﾞｰﾄして愛を確かめあって
またそれぞれの家に帰るんだ。
私は家族が待つ家へ
彼は一人暮らしのｱﾊﾟｰﾄへ。
彼は独身で身長が186㌢もあるのに
70㌔しか体重がない細身で私の好みのﾀｲﾌﾟ。
顔は今風のｼﾞｬﾆｰｽﾞ系ってやつかな？
ｻﾗｻﾗの茶髪で右耳にﾋﾟｱｽが３つ
揺れている。
風に髪がなびいて
ﾋﾟｱｽがｷﾗﾘと見える横顔が好きだな。
こんな可愛い男が彼なんだと思うと
誰かれかまわず自慢したくなっちゃうね。
そう
可愛い彼は20才
娘より一つ年下。
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