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その夜
ユウキからのメールが届いた。
『ユウキです、届いていますか?』
―やったぁ―
と思ったけどしばらく返事しなかった。
待ってましたって思われたくなかったからね。
それから一時間後
またユウキからのメールが…
『今はメールできないのかな?すいませんが…名前を教えてください』
メールを読んで思い出した。
私の名前を教えてないや…。
―どうせ暇つぶしなんだから
適当な名前にしとこ―
『ごめんねっ、ちょっとバタバタしてたから。私の名前?カオリだよ』
と返信。
またメールを受信。
『今からアルバイト行ってきます。
またメールしますね、カオリさん』
カオリさんだってぇ(*^_^*)
私はホントは祥子だよ。
なんだか
ワクワク♪してきた。
なんだろう?
この感じは…。
そうだ
思い出した!
誰かに恋した時の気分だ…
え?恋?!
まさかね。
あんな娘と変わらないくらいの男の子にね。
私は大げさにクビを振った。
┐(´ー`)┌まさかね。
時計を見た。
そろそろ高校生の娘が
部活から帰ってくる時間だ。
お腹を空かせて帰ってくるから
おやつでも作りますか…。
私はこの時はまだ
ただの主婦だった。
若いきれいな男の子とメールはできたけど
ただそれだけのこと。
でも…
もしデートになったら何を着て行こうかなんて
真面目に考えだした私もいたわ。
やっぱり女ね。
おやつのクレープを焼いていたら
またメールが入った。
『祥子、今夜、暇?コンパするんだけど、どう?』
なんだ
悪友の智子のメールか…。
コンパの誘いか…どうしようかな?
私は夫が家にいない分、夜の外出も平気。
毎日退屈してるから
おしゃれして変身してでかけるのは楽しいしね。
それにコンパだよ
楽しくないわけがない。
『了解、時間は?』
『7時に迎えに行くわ』
7時か。
まだ少し時間があるな
早めに晩ご飯の準備して
念入りにメイクしちゃいましょ(^_-)☆
その時の私は
ちゃっかりユウキを思い出していたわ。
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