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ミキとシズカは友達同士。
ミキが30才、シズカは40才と10才違うが、気の合ういい友達だ。
2人は、暇つぶしにある携帯サイトを始めた。
シズカがミキに誘われて入った形だ。
ミキもシズカもサイトでは
他人のふりをした。
そのほうが
気兼ねなくたくさんの人と絡めるからだ。
出会い系とは違うが
それなりに
楽しい人と知り合ったりして、いい感じのメールのやりとりができた。
ミキとシズカは
友達リストには入らなかったが
シズカが作ったサークルにはミキも入った。
不倫や恋愛に悩む人たちが集まるサークルだ。
いろんな悩みを相談しあううちに
それぞれカップルになった男女もいたが
それはあくまでサイト上のこと。
誰も深く追求したりしなかったし
そういう見て見ぬ振りのメンバーの態度も居心地がよかった。
ひさしぶりに2人で
お茶してるとき
話題はサークルのことになった。
「ねぇ…この人ってさぁ…なんかいいカッコしてるよね?」
シズカがミキに言った。
「うん…誰にでも優しいよね?」
ミキが答える。
「優しい…か…。う…んなんかちょっと違う感じの。みんなにいい人って思われたがってるみたいな…」
その人とはマサル。
小さいけど会社の社長らしい。
年はシズカより一つ上だ。
シズカはマサルの行動が気になった。
やたらにサークルメンバー(それも女性ばかりに)
絡みまくってる。
まめと言えばまめ
でも
一人で物わかりのいい兄貴面して
悩んでる女性に説教じみたコメントをしたりしてる。
メンバーの伝言板に行くと
『早く髪を乾かさないと風邪ひくぞ』
とか
『俺でよければいつでも話を聞くよ。いつも君の味方だから安心して』
とか
『あんまり食べると太ってブタになっちゃって美人が台無しだよ』
とか
なんだか
見ていてこっちがこっぱずかしくなるコメントが多い。
言葉づかいとか見てると、どこかの下手くそホストみたいだ。
見え見えのセリフが苦手なシズカは
少し距離をおいていた。
距離といっても
もともとサイト内だけの知り合いだから
コメントをしなければいいだけのことだ。
マサルはそのまめさから
いくらかの人気はあったようだ、もちろん女性限定で。

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