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「ん、ん、ぁ―」 クライマックスを迎えて、噛みしめたはずの唇から小さく喘ぎ声がこぼれた。 「はぁ~」 吐き出したもので汚れた自分の手を見つめて、思わずため息が出る。 「可愛い女の子ならまだしも…なんでアイツの手なんだよ」 そう、最近の俺の夜のオカズと言えば、口に出すのはお互い照れくさいが、自他共に認める親友の谷口将志の手なのだ。 きっかけがなんだったのか… 教室で喋ってた時なんかにふと気がつくと、机に乗せたアイツの手に眼が引き寄せられてしまうんだ。 そして、それを思い出しては毎晩身体を熱くしている。 中学時代はバレー部だったアイツの長くて節だった指や、手首に浮かんだ太くクッキリとした筋だとか、自分にないから羨ましく感じているからだと思っていた。 たぶん、もうずっと気付かない振りをしていたけれど、自分を誤魔化すのも限界になってきた。 そう、きっと俺はアイツの事が…
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