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「レウコユムはつらくないの?」
棺の中で眠気と戦いながらリコリスはレウコユムに問う。
「何がです?」
「永遠の命、そして僅かな時間しか目覚めることの出来ない私との逢瀬」
レウコユムはふっと微笑む。
「あの二人のように会ってすぐに別れてしまうより、いつか目覚めるであろう貴女の側にずっといる方が私はいいです」
リコリスの頬を撫でたレウコユムはリコリスの唇にそっと口づける。
「おやすみなさい、リコリス」
「おやすみ、レウコユム……」
ずっと昔から変わらない別れの言葉。
そして、レウコユムは口ずさむ――
『私は夢を見る』
『それは昔から続く記憶の断片』
『私は夢を見る』
『それは貴女との想い出』
『リコリスは夢を見ない』
『それは深い眠りに落ちてしまうから』
『リコリスは夢を見ない』
『それは貴女の運命だから』
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