2. リコリスは思い出す――あの時代の追憶……

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リコリスは思い出す―― 「アマリリス……」 「ネリネ……」 出会った二人は深く愛し合った。 性別など関係ない、世界など関係ない、愛する者以外の全ての存在を消し去るように。 しかし、アマリリスの周りには人が集まり、ネリネはアマリリスから離れざるを得なかった。 「アマリリス……、どうすれば君を僕のものにできる?」 ネリネの住まう廃墟で二人が静かに抱き合っていた時、ネリネはアマリリスに問いかけた。 「私はもうあなたのものよ、ネリネ……」 アマリリスの微笑みに先程までの不安が一瞬消えたかに思えたが、やはりネリネの心を蝕んでいく不安はそう簡単には拭い去れず、ネリネはアマリリスを強く抱き締めた。
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