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リコリスは思い出す――
「アマリリス……」
「ネリネ……」
出会った二人は深く愛し合った。
性別など関係ない、世界など関係ない、愛する者以外の全ての存在を消し去るように。
しかし、アマリリスの周りには人が集まり、ネリネはアマリリスから離れざるを得なかった。
「アマリリス……、どうすれば君を僕のものにできる?」
ネリネの住まう廃墟で二人が静かに抱き合っていた時、ネリネはアマリリスに問いかけた。
「私はもうあなたのものよ、ネリネ……」
アマリリスの微笑みに先程までの不安が一瞬消えたかに思えたが、やはりネリネの心を蝕んでいく不安はそう簡単には拭い去れず、ネリネはアマリリスを強く抱き締めた。
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