第一章

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―カンッ― ―カァン― ―カァーン― 木がぶつかる乾いた音が辺りに響く。 「今日は…このぐらいに…しておくか?」 息を切らしながらロイが言う。 「そうだな」 方やレイスは息一つ乱れていなかった。 「クソッ!レイス…お前には一生勝てそうにないよ」 悪態をついているロイだったが顔は笑っていた。 「ああ、お前に剣の腕まで負けたら俺の立場が無い」 レイスも売り言葉に買い言葉だが、ロイに悪態をついていてもレイスは笑っている。 二人はどちらかと言えば親友に近かった。 それは戦場で生まれる一つの目標に対しての一体感などではなく、純粋に心から信頼できる友。
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