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その帰り道…
マキ『あっ、今から連れて行きたい所あるんよ♪
』
ケン『えっ!?どこよ?』
マキ『いーからついてきて☆』
既に日が西に傾いていると言うのにマキは自分をどこに連れて行くのか。
ケンは不安になった。
社員寮前から歩き始め、約20分―
ケン『どこまで行くん?』
マキ『いーからいーから♪♪』
しばらく歩くと、回りは山だらけで、社員寮がある地域よりもっと田舎な町並みになっていく。
田舎の小さなメインストリートから道を外れて、階段がある山へ上る。
回りは完全に日が落ちて、真っ暗になった。
女の子なのに、真っ暗な山をパンプスをカツカツ言わせて平気で上っていくマキの勇気にケンはある意味尊敬していた。
暗い階段を上りきると…
マキ『はぁ…はぁ…つ…着いた…』
ケンも息絶え絶えになり顔を下げ両手をひざに付いている。
ケンは顔を上げる。
ケン『ここは…』
回りが枯れ木に囲まれている小さな神社の境内だった。月明かりが見事に建物と地面を照らし、冬の自然の照明演出をしていた。
近くに畑が下の町を望むようにあり、その畑の中に二本、小さなつぼみが咲いている木がある。
マキ『この木はな、柿の木なんよ。
前な、自転車で散歩した時に偶然見つけてな、それから、来るようになって…
柿が出来たら取ろうと思ってんねん(笑)』
ケン『あほか(笑)坊さんに見つかったらどーすんねん(笑)』
マキ『え~ひどい~↓ここで坊さんにまだ会った事ないから大丈夫♪』
すっかり元のマキに戻って、ケンは安堵の表情を浮かべていた。
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