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社員寮の近くのバス停に近づくと、ケンはマキを起こした。
マキ『ん…寝てもたぁ』
ケン『そろそろ着くで』
バスを降り、家に着いた。今日から二人で住む事になるこの部屋。
ケンの中にマキのことを『好き』と言う感情が芽生えてしまったが、あくまでもマキの『シンナーありきの生活』から脱出させるために、部屋に住まわせるんだ。
と、自分の中に感情を押し殺す決意をしていた。
部屋に帰ると、昨日の部屋とは全然違うケンの部屋がそこにある。
マキ『今日からよろしくね☆』
ケン『うん、こちらこそ』
マキは早速着替えを持って―
マキ『汗かいたからお風呂入ってくる♪』
と風呂場へ向かう。
ケンはリビングへ行きテレビをつけた。
某有名芸能人達がバイクに乗りぐるぐる回り単位を数えている。
暇つぶしにそれを見ながら携帯を見る。
(そういえば、昨日岡田くんから電話かかってきてたなぁ…)
岡田くんに遅い折り返しの電話を入れる。
(プルルルル…ガチャ)
(おう、ケンか?昨日何やっとってん?)
岡田くんは明るい声で出てくれた。怒ってはいないようだ。
岡田くん(明日日曜やろ?遊びに行ってええか?)
ケン『あ…ちょっと待ってください。』
マキが風呂から上がって来たようだ。
ケン『明日、俺の友達が部屋に来るって言ってるけど、いいかな?』
マキ『ん?ここケンの部屋やねんからいちいちきかんでもいいよ♪』
鏡を見ながら髪を乾かしてマキは答えた。
岡田くん(オイオイ~部屋に女連れ込んでんのか~?ケンもやり手やなぁ~)
ケン『えっあのこれには複雑な事情が…』
岡田くん(まぁまぁ♪ごゆっくり♪俺も今から彼女に会いに行くし♪じゃまた明日ね~)
(ガチャ…)
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