第四章~同棲生活~

5/12
前へ
/74ページ
次へ
社員寮の近くのバス停に近づくと、ケンはマキを起こした。   マキ『ん…寝てもたぁ』     ケン『そろそろ着くで』       バスを降り、家に着いた。今日から二人で住む事になるこの部屋。     ケンの中にマキのことを『好き』と言う感情が芽生えてしまったが、あくまでもマキの『シンナーありきの生活』から脱出させるために、部屋に住まわせるんだ。   と、自分の中に感情を押し殺す決意をしていた。     部屋に帰ると、昨日の部屋とは全然違うケンの部屋がそこにある。     マキ『今日からよろしくね☆』       ケン『うん、こちらこそ』       マキは早速着替えを持って―   マキ『汗かいたからお風呂入ってくる♪』       と風呂場へ向かう。       ケンはリビングへ行きテレビをつけた。       某有名芸能人達がバイクに乗りぐるぐる回り単位を数えている。     暇つぶしにそれを見ながら携帯を見る。     (そういえば、昨日岡田くんから電話かかってきてたなぁ…)     岡田くんに遅い折り返しの電話を入れる。     (プルルルル…ガチャ)     (おう、ケンか?昨日何やっとってん?)     岡田くんは明るい声で出てくれた。怒ってはいないようだ。     岡田くん(明日日曜やろ?遊びに行ってええか?)     ケン『あ…ちょっと待ってください。』       マキが風呂から上がって来たようだ。     ケン『明日、俺の友達が部屋に来るって言ってるけど、いいかな?』     マキ『ん?ここケンの部屋やねんからいちいちきかんでもいいよ♪』     鏡を見ながら髪を乾かしてマキは答えた。       岡田くん(オイオイ~部屋に女連れ込んでんのか~?ケンもやり手やなぁ~)     ケン『えっあのこれには複雑な事情が…』       岡田くん(まぁまぁ♪ごゆっくり♪俺も今から彼女に会いに行くし♪じゃまた明日ね~)   (ガチャ…)
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加