第一章『序章』

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JR網干駅からバスに揺られ、約15分…周りの景色が徐々に家、山、川、田んぼの他に何も見当たらなくなってくる。要は『田舎』の町並みになってきたのである。   ケン『なんやこれっ!たんぼだらけやんっ!』   受かった会社から送られて来た内定書ともう一枚、寮までの地図が書いてあった為、それを何度も確かめたのだが、何度みても場所は合っている。     ケンが今日から住む家は、一応社員寮なのだが、某有名賃貸アパートであり、表は集合住宅と遠目に山が。裏はたんぼがあり、遠目にバイキングの店が見える、と言う腹立たしいほど立地条件が悪い社員寮だった。   社員寮の前につき、ケンは先方に電話を入れる。     ケン『あの…今寮に着きました。』     先方が毅然とした態度で返答した。     『ご苦労様。今からそちらにカギを持っていくからもう少し待ってて。』     期待していた場所とのギャップに苛立ちと不安を募らせ、しゃがみ込んでいると…    
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