第二章『出会い』

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第二章『出会い』

『あ…あのぉ…』   弱々しい声でケンに向かって話しかけてくるのが耳に入る。 電話で報告した先方の代理人でもやって来たのかと思い…   ケン『こんにち…あれ?』   相手をみるなり、服装に違和感を覚えた。     相手の女の子は柄モノのシワだらけのパジャマを着ていて、家庭ゴミと思われる青いゴミ袋を両手に持っている。しかしやはり少しでも外に出かけると、年頃な為に近隣の目も気になるのか、薄い化粧だけはしていた。   先方の代理人ならこんな姿でカギを渡しに来るとは当然思えない。   勇気を振り絞り…   ケン『あの…社員の方ですか?』   と聞くと…   『…?…あ…いえ、あの、私も一週間くらい前からここに住んでいるんですよ。近くのコンビニでバイトしてますっ♪♪』     ケン『そうなんですか。』   (案外よく喋るな…。ん?コンビニ?!バイト?!ちょっとまてよ…)     ケン『えっ?ここって会社の社員寮じゃないんですか?』   『えっ?そうなんですか?でも普通に賃貸関係の本にココ乗ってましたよ(笑)』   この社員寮は、一般でも賃貸アパートとして貸し出されていたのである。なので寮に住んでいる人は全て勤め先の会社員、と言うわけではない。     …しばらく沈黙の時間が過ぎ…。     『あのぉ…ゴミ…捨てたいんですけどぉ…。』   (ゴミ………はっ…!)   ケンがしゃがみ込んだところはゴミ捨て場の真ん前だった。 カラス避けの為に屋根と金属の囲いがしてある小さなゴミ捨て場だった為、ゴミを入れるには手前の引き戸を開けるしかなく、ケンは見事にその引き戸を占拠していた。     ケン『あ!すいません!!』     『いえいえ』     彼女はゴミ捨て場の引き戸を開けて、細い腕で両手に持ち替えて、ゴミの 山に大きなゴミ袋を二つ、投げ入れた。
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