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ケン『なぁ、マキ。』
マキ『ん?』
ケン『あの日…』
『マキは何故あの約束を…?』
マキ『約束?』
ケン『ほら…別れたら最後にデートしよなって言ってたやつ』
マキ『あ…あ~あれか♪理由かぁ…今はもう恥ずかしくて言われへん♪(笑)』
ケン『何よそれ(笑)じゃあさ…』
ケン『マキはなんで俺の元を去っていったん?』
ケン『同棲してる時、ホンマに俺の事好きじゃなかったん?』
ケンは、勇気を出して聞いてみた。
ケン『理由、教えてくれへんか?』
マキ『それはね…』
マキ『ケンの事…同棲するうちに…ホンマに好きになってきたんよね。ずっと一緒にいたいってずっと素直に思ってた…』
ケン『じゃあさ、布施さんと家来た時、俺の部屋にそのままおればよかったのに…』
マキ『出来れば…ケンと一緒にいたかった。でも…あの人は怖すぎた…。ホンマにあれ以上、ケンに迷惑かけたくなかったからさ…』
ケン『金は貰ったんか?』
マキ『ううん。布施さん、関東に帰ったらしいし、やっぱり自分で何とかする。あとどのくらいかかるか分からんけど、ちょっとずつでも、知り合いに返済するつもり。』
ケン『そっか…やっぱ自分のケツは自分で拭かんとな、がんばれよ、マキならやれる、大丈夫よ。』
マキ『ありがと…ねぇケン…』
ケン『…………?』
マキ『ヨリ、戻せないかな…?』
ケンだって本当は今でもマキの事が好きだ。
ケンの結論は一つだった。
ケン『あかん。』
ケンの気持ちとは裏腹に、目一杯無理をして絞りだした結論が、こうだった。
正直、まだヨリを戻すタイミングではなかった。
だからケンは、こう言った。
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