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翌日、ケンは仕事場に顔を出し初出勤。仕事場の方も皆仲良くしてくださった。
初出勤の帰りの夜道、歩いて寮へ帰ろうとすると、寮の横の階段の前で二人が何やら揉めているのが確認出来た。
ケン『うわー、なんか帰りづらいなぁ…』
しかし早く家に帰りたいケンは、出来るだけ遠くを歩いて帰ろうとし、二人を確認しながら帰ろうとすると…
黒のフルスモークに綺麗なホイルを履かせたセルシオの近くに、マキともう一人、知らない男の人が二人とも何やら怒鳴りちらしている。
マキ『なんでよ!今日持って来てくれるって約束やったよねぇ!?もうそろそろ無くなりそうやのに!』
男『うっさいなぁ!だからアレはなかなか仕事場から持って来るん難しい言うとるやろ!俺に仕事クビなれ言うんかこらぁ!!タダであげとるだけ有り難く思えボケがぁ!』
男『チッ!むかつく!もう電話してくんな!面倒見きれん!自分で何とかせぇ!』
男に怒鳴られたからなのか、マキが号泣している。
それをよそに、マキを残して一人でセルシオに乗って走り去って行く男。
マキはその場に泣き崩れた。すすり泣く声がこっちまで聞こえてくる。
まだマキと昨日少し話しただけの中だったため、マキに話し掛けようか、かなり迷った。
考えた末、ケンの答えは…
ケン『…どうしたん?』
マキ『…!?あ…ケンさ…ん?…ですよ…ね……こんば……んは…。』
ケン『ここじゃ話しにくいでしょうから、家来ます?』
マキ『…いい…です…か?』
ケン『どうぞ。まだ何にも無い家ですが(笑)』
マキ『お邪魔します…』
マキを家に招き入れた後、マキを椅子に座らせて、ケンはフローリングの地べたに座った。
しばらく気まずい雰囲気がしばらく流れ、ケンが冷蔵庫から飲み物をマキ
に与えると、マキが沈黙を破った。
マキ『話…聞いてました?』
ケン『少し…。でも話の内容が全然分かりませんでした。』
マキ『そうですか…良かった』
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