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ドサリ、
俺は思わず鞄を落とした。
それくらい目の前の光景に驚いていた。
「何でアンタがここにいるんスか…」
おやすみ、マイハニー
目の前の光景、それは愛しい可愛い俺の恋人が俺の部屋、正確には俺のベットの上ですやすやと寝ている。
…ちょっと待て、この状況はおかしい。
最近はテスト前で家に帰る時間が早いとはいえ7時を回っている。
いやいや待て待て、時間よりもっとおかしなことがあるんじゃないか?
多分これを言うのは二回目だ。
うん、何で、
「……何でアンタがここにいるんですかぁぁぁっっ⁉⁉⁉」
とと、とりあえず落ち着け、❗
深呼吸深呼吸。
吸ってー…
吐いてー…
よし。
まずはしっかり状況を把握しよう。
「元希さん、?」
おずおずと近付いて名前を呼んでみる。
顔を覗いてみたところ…どうやら本物のようだ。
「よし、大体の状況は掴めたぞ」
どうせこの人のことだ。
よく考えてみれば学区は違えど同じ地区。
来ようと思えば来れる距離だし、うちに来ることは別に苦ではないだろう。
あらかたうちに来ても俺が居ないから部屋で待ってて、待ちぼうけて眠くなったんだろう。
そうと決ればやることは1つ。
「元希さん、」
もう一度名前を呼んだ。
今度は確かめではなく、肩を揺すって起こすように。
「元希さん」
うー、と唸って寝返りをうつ仕草にアンタは猫か、と思った。
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