第三章 消えゆく影

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かっ…影があいつの影 頭と右手、左足、左わき腹が きえている 変だ 僕は二つさきのバス停で、降り 家につく前に 先生に電話して聞いてみた。 「影がきえてたんですが、どうしてですか」 『あぁ、残念ですが、手遅れです。』 と、 残念という気持ちが、つわらない言い方をした。 「じゃあ、死ぬんですか」 『影が消えるのは、目印です。 アヤカシの、ね。 影が、 そこまで減っていたら無理です。 助かりません。』 僕は、黙って電話をきり 友達の家まで、走った。 太陽は、まだ沈んでいない。 はぁはぁ… 間に…合ってくれ そう願いながら、 走った。 体力の限界は、 とっくに、すぎている。 次の角を左に曲がれば… … … 曲がった瞬間、目に入ったのは 黒き物体に囲まれた友達の姿 僕は、内ポケットにある。 十七枚の札を手に取り、 奴らに投げた。 奴らが苦しむのが見える。 少しすると、奴らは消えた。 友達の頭と共に、 無惨な姿となった 友達の前で 僕は、泣くことしかできなかった。 僕に影がかかり、 後ろに気配を感じつつ、 気絶してしまった。
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