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『なんかさ、こうゆう歌あったよねー』
「?…琉衣、しっかり掴まってろよ」
自転車が下り坂にさしかかった時、私は歌い出した。
『この長い長い下り坂を
君を自転車の後ろに乗せて
ブレーキいっぱい握りしめて
ゆっくりゆっくり下ってく~♪』
確か…夏の歌。
今は春だけど、状況はそうだよね。
「…綺麗な声だな。」
『ありがとう。』
トシはまた無言で自転車をこぎ続けた。
そうしてるうちに家に着いた。
――…
ガチャリ
『ただいまー』
「暗ェな…」
『電気…あった!』
私はリビングの電気をつけた。
パーンッ!!
。
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