◆◇壱◇◆

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――あれ? ――ここは…どこだろう…? 気がつくと、私は見たことの無い場所にいた。 「……お前、どうしたの?」 ふと、頭上から優しげな声が降り注がれた。見上げると、綺麗な女の人がいた。 私は答えようとした。でも、思うように声を出せなかった。 「お前、随分弱ってるね……」 優しく囁くその人に抱かれ、私は頭を撫でられながらどこかに連れていかれそうになった。 『どこに行くの?』 頑張って聞いた。 でもその人は、ただ私を抱きながら歩き続けた。           いつしか、私は眠っていた… ただ、体中に温もりを感じて…           .
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