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「…上手くボールがいってくれねぇな!」
ここを通れば誰でも聞こえるぐらいな大きな声で、
けど、独り言を言ってるんだよな。
宮本。
んで、あいつなにやってるんだ?
こんなところで?
宮本は学校の壁に向かってボールを蹴りつけていた。
それをさっきから続けている。
あいつ学校でも壊すのか?
…もう中学生なんだし、そんなこと誰も思わないか。
という事は
練習か?
ころころ…。
と俺の所にボールが転がってきた。
俺はそれを拾い上げて宮本の方に向かっていった。
「…な、中澤!?」
「お前一人でなにしてるんだ?」
「なにって…。た、たまたまボールが有ったから蹴っただけだ!!」
「ふ~ん。んじゃこの跡はなんだ?」
俺はさっきまでボールを蹴りこんだ壁を指さして言った。
「さ、さぁ…。しらねぇよ」
宮本はそっぽを向いてしまった。
まぁいいや。
「ほら…。」
と俺は宮本に軽くパスを出した。
「な…なんだよ?」
「練習だろ?」
「だから違うって言ってるだろうが!」
「はいはい。んじゃ練習に付き合ってよ」
「…し…しょうがねぇな。お…俺も暇じゃないのにさ!まぁ付き合ってやるよ」
「…はいはい」
と俺等は中庭で軽いパス練習をした。
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