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「…シンジ?
…どこで知り合ったの?」
マトイは、先程とは打って変わって、真剣な顔付きで聞いた
「いや……だから……」
「この前のニュースのコ………確か、シンジのイッコ上だったよね」
「…………」
マトイは、大きな勘違いをしている
シンジには、それが分かった
だが
本当の事は……言えない
もし言えば、あの空間を
不粋な権力に踏みにじられてしまう
いや……
本当は、それが
あるべき姿なのだ
そんな事は
シンジは百も承知だった
だが………
それでも………
「………姉さん
どうしても……言えない
だけど………
姉さんを悲しませる様な真似は……絶対にしてないし……これからも……しない
……これじゃあ……ダメかな」
シンジは真っすぐにマトイを見つめた
マトイは
「………なら」
言いながら立ち上がり
ぽむ………
シンジの頭に手を当てて
「あたしは、あんたの味方だ」
そう言って
自分の寝室に入っていった
残されたシンジは
マトイが触れた頭に手を当て
「………ありがとう
おやすみ……姉さん」
と呟いた
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