第1話 主人公は最恐

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  「あ、いや……急用を思い出しまして……はい。」 『どんな急用?まさか……今さらバイクを隠す為だなんて言わないわよねぇ……。』 挙動不審な上に目を泳がせ、冷や汗を垂らし見え見えな嘘をつくリオネだが、レイには通用しない。 突き刺さる殺気にガタガタと震え青ざめる。 リオネは助けを求めようと司令とアーカードに視線を送るが、司令は今回被害者なので当然スルーしている。 アーカードに至っては黙祷していた。 (う、うらぎりものー!!) 心の中で叫ぶもの、現実は甘くはない。 むしろ今回はリオネが明らかに悪いので自業自得なのだ。 『ちょっとリオネにはゆっくりとお話しがあるから、任務の話はその後でいいアーカード?』 微笑みアーカードに言うレイだが、普段なら誰もが魅ぼれる笑顔は、その時般若にしか見えなかったとリオネ談。 また、淡い希望がこの時崩れ去った。 「緊急で呼び出しましたが、別に任務自体は明日からなのでいいですよ。」 こちらも爽やかスマイルで受け答えをするその様は、まさに営業マンの鏡と言える。  
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