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「あ、いや……急用を思い出しまして……はい。」
『どんな急用?まさか……今さらバイクを隠す為だなんて言わないわよねぇ……。』
挙動不審な上に目を泳がせ、冷や汗を垂らし見え見えな嘘をつくリオネだが、レイには通用しない。
突き刺さる殺気にガタガタと震え青ざめる。
リオネは助けを求めようと司令とアーカードに視線を送るが、司令は今回被害者なので当然スルーしている。
アーカードに至っては黙祷していた。
(う、うらぎりものー!!)
心の中で叫ぶもの、現実は甘くはない。
むしろ今回はリオネが明らかに悪いので自業自得なのだ。
『ちょっとリオネにはゆっくりとお話しがあるから、任務の話はその後でいいアーカード?』
微笑みアーカードに言うレイだが、普段なら誰もが魅ぼれる笑顔は、その時般若にしか見えなかったとリオネ談。
また、淡い希望がこの時崩れ去った。
「緊急で呼び出しましたが、別に任務自体は明日からなのでいいですよ。」
こちらも爽やかスマイルで受け答えをするその様は、まさに営業マンの鏡と言える。
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