第2話 バイク好きにろくな奴はいない

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  時間は戻り現在。 愛用のバイクを壊されて、仕方なく歩き続けて約三時間。 レイは木の根元で休んでいた。 『バイクだったら飛ばして二時間…………』 目的地を思い浮かべ、止まることを知らない溜め息をまた一つつく。 どうやら、相当参っているようだ。 だが、このままこの場所に居た所で目的地につく訳ではないので立ち上がり渋々歩き始める。でなければ、日暮れまでに着けないからである。 下手をしたら野宿に成る故、レイは急ぎ足でいた。 でも……そんなレイの憂い顔は直ぐに晴れる事になる。 数十分後、あんなに弱っていたレイの姿は今なく。 むしろ目をギラつかせ獰猛な笑顔を浮かべていた。 『見つけた。』 そう言った目線は到底普通の人には見えない筈の数百メートル先のバイクを捉えていた。 しかも一台だけではない。 何十台ものバイクが停まっている事にその人数の人もいる。 が、明らかに一般人ではない。 人相悪そうな顔や厳つい顔やら、チャラついたり、ゴツい格好をした男達がバイクに跨ったり、寄りかかってゲラゲラと下品な笑いをこぼしながら雑談している。  
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