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だが、レイと男の会話に気づいて軽傷の男の仲間達が既に立ちはだかっていた。
『はぁ、本当に面倒な奴らね。大人しく寝ていれば酷くならずにすんだのに。』
「後悔すんのはテメェだ女ぁっ!!1人でこの人数に勝てると思うなよっ」
剣を持った男の言葉を筆頭に、次々と武器を取り出しレイに向かい出す。
レイは気付かれないようにため息を零し言った。
『容赦しないわよ?』
****
それからはあっという間だった。アレだけいて、アレだけ意気込んでいた奴らは最初に話した男と重傷者を残し全滅した。
返り血を浴びず、余りにも可憐に、酷く、残虐に舞う様に戦う姿に何も出来ず見ていた男は敵と言う事を忘れ。
つい、魅いっていた。
『つまらない………雑魚のクセに無駄に労働力使わせるな』
そう吐き捨て言ったレイの視界には男も倒した奴らすら入らない。
一旦空を見上げてから、目的である無事のバイクを何台かおもむろに品定めし始める。
品定めして数分後、レイは一台の黒い車体に赤い線が入った大型バイクの前に止まる。
『これね…………ふん、なかなかいいモノ持ってんじゃない』
そう言いながら隅々まで確認していく。
どうやら、鍵は挿しっぱなしだったようで直ぐに喧しいエンジン音が辺りを包む。
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