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星が輝く夜空の下。
月明かりに照らされ、銀髪に黄金の瞳を持った一人の青年が住宅街を走っていた。
「う゛ぅーさっみぃっ!夢中になりすぎたっ」
垂れそうになる鼻水を啜り、やりきれない後悔をしていた。
「でもやって置かないと忘れるしなぁ………」
頭に角を羽やし般若の如く怒る女教官を思い浮かべ冷や汗を垂らす。
と、嫌な事を思い出し家の角を右に回ろうとした青年が立ち止まる。
「何か聞こえる…………」
静かな住宅街……周りには音を発する物はないはずなのに青年は目を閉じて耳を澄ませる。
---オニャァ--ギャァ--
「鳴き声……?」
僅かな過疎ぼい生き物の鳴き声のような声が耳にしっかりと届く。
青年は帰る事等忘れ、声のする方へと走り出す。
近づく度にその声はハッキリしていき、かなり近づいてきた所で声の主が赤ん坊である事に青年は分かり。
更に走るスピードを上げる。
「ハァッハァッ、どこに…いたっ!!」
青年が元居た場所から数キロ離れた公園。
そこの入り口に乳母車と共に毛布にくるまれた赤ん坊が置き去りにされていた。
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