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「何でこんな所に赤ちゃんが……………」
乳母車から泣きじゃくる赤ん坊を抱き上げ泣き止ませる。
すると揺すって泣き止ませた拍子に毛布から何かが落ちる。
「………封筒…?」
毛布から落ちたのは一通の茶色の封筒だった。
宛名も宛先も勿論書かれてはいなかった。
青年は悩んだ末にゆっくりと封筒の口を切る。
その際に泣き止み寝てしまった赤ん坊を乳母車に寝かせてから。
そして、封筒から手紙を取り出し内容を確認する---
が、見た瞬間に驚愕と悲痛な表情を浮かべる。
「これは…………そんな………………」
手紙を読み終え、安らかに眠る赤ん坊を見る青年。
もう一度手紙を見て封筒にしまい上着のポケットにしまう。
「このままにはしておけない……よな。」
屈み赤ん坊の寝顔を覗き込む。
「……………とりあえず家に連れて帰るか。」
青年は赤ん坊を乗せた乳母車を押して、その場から去っていった。
後で母親に夜遅く帰り怒られる事も知らずに---
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