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「どうしたんですか、アゼル。そんなに焦って」
「お、お兄ちゃんが……」
「フェイトが?」
「おじちゃんに振り回されてる……!」
「へ?」
アゼルが指さした方を見ると……言われたとおり、貴族のおっちゃんにフェイトが足首を掴まれ振り回されている壮絶な状況が展開されていた。
「どぅおっせい!!」
「ぉぐあッ!」
フェイトは思いっ切り投げ飛ばされ、壁にたたきつけられ、うめき声とともに床へ伏せる。
メイド騒然、一同なにが起こったかわからないまま呆然としていたが、ギルティナ家の姉妹だけは……。
「あれは父上の愛情表現だ。気にするな」
「気にしますよ!? フェイト君思いっ切り痛がってるじゃないですか!」
すました顔でそう言うランスに対し、珍百景にでも遭遇したような驚きを含めてグレイヴが叫ぶ。
「小ォォォ僧ォォオ……! どぉの面ァ下げて我が家にそのきたねぇ足乗っけてる……?」
「ちょっ……マジ半端ねェわおっさん……こっちはな、土ン中一歩手前の怪我人なんだぜ……」
「だからどぉした。テメーのせいでうちの娘が軍やらなんやら……危ねェことしてんだぞ……ランスロットはいいとこに嫁がせて幸せになってもらう予定だったのによォォ……」
「それを俺の所為にするかよ……つぅか、ランスロットが嫁ぐとか鳥肌モンだぜ。あいつほどウエディングドレス着たとこ想像できねェ奴もいねェだろ」
「フェイ……それはどういうことだ。詳しく説明しろ……」
「……ヤッベ、国より死亡率高ェ親子同時に敵に回しちまった」
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