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「先生ー、好きですっ!」
………。
『おはようごさいます』なんて定番の挨拶を抜きにして、彼は勢い良く自転車を漕ぎながら大きな声を上げて、此方へと向かってくる。
「…おはよう、秋野くん」
呆れたように息を吐き出して相手を見る。それから、相手の言葉を訂正するかに態とらしく、白々しく朝の挨拶をする。
彼は自転車から降りて姿勢を正して
「おはようごさいます」
と深く頭を下げる。
それがここ最近の朝の定番。
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