第一章生まれて~小学校入学まで

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私は西暦1986年(昭和61年)11月25日に福岡県で生まれました。生まれて一週間後退院した私がいた家は、祖父母の家ではなく、親の友達の家でした。小さい時の事なので、あまり記憶にありません。 親の友達の家で6か月まで育てられていましたが、その家の人からは、あまりご飯を食べさせてもらえませんでした。ある日の事、親から祖母へ一通の電話がありました。その電話の内容は、「友達の家にakikoを預けているから迎えにいってほしい」という電話でした。そして、祖母と私の母の兄が迎えにきてくれ、それからは祖父母に育てられました。私が母の友達の家に生まれてから6か月になるまで預けられていたと知ってのは、去年です。初めまして耳にした時はあまりのショックが大きく眠れませんでした。 それから母と暮らすことは一度もなく、逢うにしろ何年かに一度でした。その頃の母は私の本当の父と離婚して、別の男性と生活し、同じ職場で働いていました。なので私は、父の顔は全く知りません。 私は、赤ちゃんの時から保育園に通っていて、周りからはよく母がいないから可哀相などと言われていましたが、小さかった私は、祖母と暮らすということが、普通だと思っていました。小さい私ながら、心の奥ではポッカリと穴が開くほど寂しかった…それから月日が流れ、保育園を無事に卒園し、小学校入学も近付くに連れて、段々母が恋しくなりました。小学校入学当日、周りを見ても母の姿はありませんでした。
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