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何はともあれ、開封済みの箱の中身を確認する事にした綾。
実は案外箱の中身が怖かったりする。
今まで何度もこの様な展開があり、その度に何らかのトラブルが発生したり、落胆させられる事が多々あったのみ。
例えば中身が『手に負えなくなった魔獣』が封印梱包してあったり、自称『父さんの発明品』と云う名のガラクタだったり。
綾は『父親からの届け物』には再三参っていた。
しかし今日ほど酷い物もなかった。
今日の届け物は、明らかに悪意しか見えない代物だった。
『赤札』、49枚。
この意味を知る綾にとって、今日ほど父親を嫌悪した日はない。
「まあ、開けて数分は経ってるけど、未だに何のアクションもないとなると、俺には無害なモノだろうな」
そして綾は箱を開き、中の物に触れてみる。
「……ったく、オヤジめ。いったいどんなつもりで俺にこんな物を……」
「……すぅ~……すぅ~……」
「………」
……聴覚より、生物、それも、肺で呼吸をする特有の小さな呼吸音が聞こえた。これは寝息だろうか?
手に冷や汗が浮かんでくる。
……触覚より、恒温生物特有の、36℃後半の体温が感じられた。生物にしては高い方だ。今度は背中にも冷や汗が浮かぶ。
何より視覚より、ここに『居てはならない者』がある、と理性が『警告』をする。
当然全身から、冷や汗が湯水の如く吹き出した。
「何の冗談だ、オヤジ……」
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